随想の細道

日常の感動を感ずるままに綴っています。よろしければ、ご覧ください。

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

人生の道しるべ

歌ごころ 先生のお話し つづき歌の題材ーー素材ーーを掴みましたら、今度はその感動を一首の上に鮮明に浮かび上がらせることが肝要です。それは、その素材を明確に掴むということであり、感動の表現に必要な物事だけを明確に掴み取ることであります。それに…

人生の道しるべ

歌ごころ 先生のお話しどこかに歌の材料はないかと探すような気持になったり、ここを歌に詠もうとか、こういうように詠もうとかいうような野心を捨てて、ある時間を歌心でいるようにだけ、努めます。情緒を持った気持ちでいるのです。そうしますと、その間に…

人生の道しるべ

造形・神・自己 教祖のお教え神があって造形があるから、実際は、造形する瞬間に造形があるのですし、神さまがあるのです。つまり、造形と神様は、同時に発生するものなのです。神だけかというと神だけではない、神さまと自己とは、瞬間に、同時に発生し、存…

人生の道しるべ

教祖のお教え短歌の道は、人生をいかに生きていくかという点からも、また心をみがき品性を高めていく上からも、まことによい修練となります。いささかのゆるみ、いささかの妥協も、毛ほどの慢心、毛ほどの見栄も許されないものであって、そこには並々ならぬ…

人生の道しるべ

細井魚袋 先生の鑑賞わりきれざるもののなかよりわが一生究めむとするくるしかりける 一生 しづかにしづかにわれはあゆみをり冬日さししむふるさとの道 かたはらにひとのをらぬをよろこびてあゆみつづけぬふるさとの道 ふるさとの道をしづかにあゆみしにわれ…

人生の道しるべ

細井魚袋 僕なりの鑑賞しづかにしづかにわれはあゆみをり冬日さししむふるさとの道 かたはらにひとのをらぬをよろこびてあゆみつづけぬふるさとの道 ふるさとの道をしづかにあゆみしにわれにうれひのかげとてもなし 細井魚袋 しづかにわれはあゆみをり、とい…

今日の一首

紅葉のすすむ葉の間に覗きたる取り残されし柿の実いくつ

人生の道しるべ

高安やす子 先生の鑑賞白樺にめざめし小鳥とびたちて光たばしるごとき朝あけ 白樺の木にねぐらをとっていた小鳥らが朝のけはいと共に飛び立つと、その羽交いに折からの朝の光がさして、羽ばたきと共にたばしるようにかがやくのでしょう。光たばしるというの…

人生の道しるべ

高安やす子 僕なりの鑑賞白樺にめざめし小鳥とびたちて光たばしるごとき朝あけ 高安やす子 白樺の木々にねぐらをとっていた小鳥たちが目覚め、飛び立ってゆく、開けて間もない光に満ちた朝なのでしょう。 光たばしる、とは、どういう光景なのでしょうか・・…

人生の道しるべ

造形について 教祖のお言葉抜粋造形は、だれでも自分がするのだ、と思っています。 そして、自分のイメージを自分が造形するのは、自分の勝手であるとも思っています。 ところが、「勝手じゃ、どんなもんじゃ、おれというものはここにこうしているんじゃ、お…

人生の道しるべ

作歌における先生のお教え その三感動は、人の生活の明け暮れに、情緒をもって過ごしている間に、次から次と人の心にとまるものなのです。だから、歌を忘れない心で、情緒をたたえて明け暮れを暮らしていれば、歌の素材はどこにでもあることに気が付きましょ…

人生の道しるべ

作歌における先生のお教え その二感動のつかみ方といっても、それは決して感動の仕方ではありません。感動に仕方などというものがあるはずはなく、人の心があることに触れて、ある一つの情緒的なまとまりを持った感じを受けた場合には、それを感動だと言って…

人生の道しるべ

作歌における先生のお教え その一一首一感動ということが、作歌の鉄則であり、したがって、歌の単純化ということが、歌を志す者の忘れることのできない心得なのであります。すなわち、歌という三十一文字の形式の中に、表現しようとする感動が、歌の単純化と…

今日の一首

吹く風にいちょう並木のもみじ葉の次から次へ舞いながら散る

人生の道しるべ

にじみ出る味 その二朝若き光たださす桃畑の玄土の上に立ちたりわれは ーーふるさとの朝ーー 岡野直七郎 かなしみて帰れるわれをふるさとの山はむかえぬ母のごとくに 青山に日の照る見ればやわらかにいたわられゐるわれかと思ほゆ すがすがし野山見放くるわ…

人生の道しるべ

にじみ出る味 その一朝若き光たださす桃畑の玄土の上に立ちたりわれは ーーふるさとの朝ーー 岡野直七郎 直七郎は都会の生活に精神的矛盾を感じるか、何か深い懊悩をもって、自ら塵かん(塵の世界・俗世間)を去ると題して幾つかの歌を詠み、郷里に帰って来…

人生の道しるべ

ふるさと朝若き光たださす桃畑の玄土の上に立ちたりわれは ーーふるさとの朝ーー 岡野直七郎 早朝でしょうか、桃畑に日の光が差しているんですね。 その光に満ちている桃畑の玄土の上に、しっかと立って、ふるさとの良さを、かみしめているのでしょうか・・…

人生の道しるべ

こまやかな鑑賞 その三打ち合ふや枝の光のきらきらと晴れゐて空の氷る木がらし 太田水穂 この歌は、情景としては動きの多いものですが、全体を読んでみての感じとしては、作者の心は静かにある雰囲気にひたっていることが汲みとれると思います。それは、この…

人生の道しるべ

こまやかな鑑賞 その二打ち合ふや枝の光のきらきらと晴れゐて空の氷る木がらし 太田水穂 この歌は、言葉の扱い方や、言葉と言葉の斡旋の具合に、いろいろ学ぶところがあるようです。まずはじめに、いきなり「打ち合ふや」と言っています。枝の具合から言い出…

人生の道しるべ

こまやかな鑑賞 その一打ち合ふや枝の光のきらきらと晴れゐて空の氷る木がらし 太田水穂 葉を落としつくした裸木の枝が、寒々と空に伸びて、細かく交錯しているのでしょう。その木はきっと見あげるほどの高さなのだと思います。交錯している細枝が、おりから…

今日の一首

深みゆくいちょう並木のもみじ葉の冷えゆく風に吹かれ散りゆく

人生の道しるべ

自分なりの鑑賞打ち合ふや枝の光のきらきらと晴れゐて空の氷る木がらし 太田水穂 風で枝々が触れ合うのでしょうか、枝には日の光が当っています。 木枯らしが吹いている、凍るように晴れた空。 自分なりに味わってみました。 この森の夕日のなかに大屋根の静…

人生の道しるべ

描写・写生 その二青山峡下りくる川のここにして見やれば長く傾きて来る ーー宇治川の米炊にてーー この広き山川の水ことごとく白波となりてかがやき流る 青き瀬はここに真白き波となり這ひあがり行くその青き瀬を 青き水脈くだけて白しその砕け流れはゆかず…

人生の道しるべ

描写・写生 その一青山峡下りくる川のここにして見やれば長く傾きて来る この広き山川の水ことごとく白波となりてかがやき流る 青き瀬はここに真白き波となり這ひあがり行くその青き瀬を 青き水脈くだけて白しその砕け流れはゆかず盛りあがりさわぐ 窪田空穂…

人生の道しるべ

短歌の味わい竹むらより老梅林に吹きこゆる風はさむけれ花の遅るる 梅の園いまだ咲かねば枝がちて木の間はさむし枯芝のいろ 枝がちて蕾ながらの梅の園しら鶴を清く居らしめにけり 春さむき梅の疎林をゆく鶴のたかくあゆみて枝をくぐらず 老梅林ほつ枝はさむ…

人生の道しるべ

人生芸術の道教祖言 展覧会の絵などを見ましても、みんな行き詰まっているようです。 みな自我に依っているからです。 祈りというものが一つも感じられません。 神を拝み、神に依っていけばいいのだがなあ、と思います。 神に依れば進歩発展するものを、神に…

人生の道しるべ

短歌における心情声あげて呼ばんと思うみずうみの向こうの岸は若葉しげれり 向こうの岸に盛り上がるようにしげっている若葉の森があって、そのたたずまいの惹きつけるような新鮮さに、思わず声を上げて呼びかけたくなるほどの感動を覚えたのでしょう。 こう…

今日の一首

少し散り更に深まる黄葉にいちょう並木の明るさの増す

人生の道しるべ

短歌の感動とは電線にならびてとまれる雀の群れ一羽がたてばみな続きたり この歌は、見たままを言っているだけで、それがどういう気持ちを持っているのか、そうしたことから感じられる味も含みもない、すなわち内容のないものになっているのだそうです。 土…

人生の道しるべ

あらたな決意中学の頃には、家ではまったく勉強しませんでしたから、そのぶん高校で頑張りました。 ですから中学の勉強のおさらいを、少しづつしていたのですが、このさい思い切って、過去を振り返るのではなく、先へ進むことにしたのです。 何に取り組もう…