随想の細道

日常の感動を感ずるままに綴っています。よろしければ、ご覧ください。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

今日の一首

拙歌を一首道の辺の桜の木にも鳴き始む今年も蝉の季節となりて 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)待ちまちて今日ぞひらきし芍薬(しゃくやく)の花うち伏せて夕立晴れぬ 今井邦子 待ちわびていた芍薬の花が、今日ようやく開いたのに、夕立が降って花がへしゃげてしまった。晴れてくれぬものか・・・・・。 といったこと…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)萩の葉のそよぎこまやかに風たちて待ちわぶる雨のくもりらしかり 今井邦子 萩の葉がかすかに揺れるほどのそよ風が吹いていて、待ちわびている雨のまえぶれだろうか、曇っている。 ということなのでしょうか・・・・・。 …

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)大きなるこのしづけさや高千穂の峰を統べたるあまつゆふぐれ ーー霧島林田温泉ーー 斎藤茂吉 スケールの大きさを感じさせますね。 僕は行ったことがないのですが、高千穂の峰というところは、そんなところなんでしょうね。…

気ままに気ままな一人言

推敲街頭にけぶりて甘き香を立つる焼栗は母の好物なりき この歌を最初は、 街頭にけぶりては立つこの香り甘栗は母の好物なりき と、されてたそうですが、「この香り」というところが誇張になっていると感じられたそうです。

気ままに気ままな一人言

感動の中心煙はく汽車とみゆらむ子があそぶ一ひらの紙今は紙にあらず 水町京子 この歌を読んで、その情景が目に浮かぶように感じられるのは、結句が「一ひらの紙今は紙にあらず」となっていることにあると言えます。とのことです。

気ままに気ままな一人言

秀歌鑑賞金鳳華咲きつづきたる野路ゆけば花見吾等に吹くよ春風 御木徳近 巻雲の引きて動くともなくに今日の天気のよき日終る 御木徳近 見透しの田舎料理屋昼しづか桃咲く庭に番傘を干す 木下利玄 かんがへて飲みはじめたる一合の二合の酒の夏のゆふぐれ 若山…

今日の一首

拙歌を一首ようやくに気温の上り今日の日は初夏を思わす良き日和なり 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

在るがまま感じたままを文章にしてみる短歌を詠むために、感動を受けた事柄を文章で書いてみると良いそうです。 それは三十一文字では収まらないでしょうが、長々と書いた事柄の中から、自分の感動と関係のあることを選び出し、関係のないことを捨てていくと…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)君のゐぬ昼のあひだもははと二人ままごとめきてたのしき家居 乙(おと)の娘(こ)と甘えし癖をいつしかと姑にも夫にもしてゐたりけり 潮 みどり 楽しく暮らしておられる様子がしのばれますね・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)君のただたのしくあれば足るといふわれと愛(かな)しき心なるかも ふとしては馴れたゆまんとするわれに真澄(ます)みむかへり君が瞳は はればれとわれに真向ふ君が瞳(め)の一生(ひとよ)を貫(ぬ)きて曇るなとおも…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)うち霧(き)らしふれる毛雨(けさめ)のおのづからつつじの花の雫に滴(た)るも 丹(に)つつじの花のしづくに滴(た)るみればこの降る雨のひさしくありけむ きり雨(さめ)の目にはとまらぬ丹つつじの花弁のしづくお…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)慧(さと)しくも寝せられにゆくと知りたらむ母がいだけばすなはち泣くも 寝を(惜)しみて泣く幼な児のいだかれてこゑ遠のけり縁をゆきまがり あとの燈にひとり吾(あ)が居ればさ夜ふけてまだ泣きやまぬこゑたまたます …

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)降り出(いで)しをいまとおもふにこの雨の庭樹にたもつ雫のふくらみ さし出でし青木の枝は縁にちかし葉づたふ雨の雫ふくれて 臼井大翼 降り出したばかりと思える雨。 それなのにもう、庭の木には雨の雫がふくらみを見せ…

今日の一首

拙歌を一首花の散るたより届くもわが里の桜の花は今真っ盛り 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)あかあかと火鉢の火(ほ)ぐち立ちたれば更けてもの欲り餅ひをよぶも かき餅のかたき乾反(ひぞ)りに火がとほりふくらむ見ればものを思はず ひたまちに餅のやくるをまつとしてこころいちづにわがあるものか 臼井大翼 火…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)子供らを浅宵(あさよ)音なき灯にとふて寝たりときけばさみしくありけり 臼井大翼 子供たちが、まだ宵の口なのに、音も立てていない。 灯の様子を見てみれば、もう消えているので寝たんだなと思うとともに、母親としては…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)子どもらの早寝のくせに帰るまづいかにと問へり靴とるひまも 臼井大翼 子供たちは毎日、早々と寝てしまうんでしょうね。 それはいいことと思えますのに、奥さんだと思うのですが、主人が帰るや否や、靴を脱ぐ間も待てない…

気ままに気ままな一人言

客観の境地先生のお教えによりますと、作歌の心得は人生の心得そのものと思われるのですが、感動の枝葉末節に捉われないで、真に感じた一点だけをとらえて(感動の中心を把握して)、対象即自己の境地(対象をありのままに表現することによって、自分の感動…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)髪ながき少女とうまれしろ百合に額(ぬか)は伏せつつ君をこそ思へ ひとすち”を千金に買ふ王もあれ七尺みどり秋のおち髪 またの世は魔神の右手(めて)の鞭うばひ美しき恋みながら打たむ 山川登美子 前の二首は、女の長く…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)たのもしき病の熱よまぼろしに父を仄見て喚ばぬ日もなし 山川登美子 たのもしくさえ思えるのでしょうか。 病の床で熱に侵されていることが・・・・・。 なぜなら、夢枕に父が立って、偲ばせてくれるから・・・・・。 よく…

今日の一首

拙歌を一首 暖かき春陽のおよぶ中庭の八重の山吹そよ風に揺る 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)垂氷(たるひ)するゆふべの谷に泣きからし呼ばば御声をふとか聞くべき 山川登美子 春先なんでしょうか。 なぜ谷におられたのかは分かりませんが、夕暮れを迎えるまで泣いて、泣いて、泣きつくし、どなたかを偲んでおられ…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におわす夏木立かな 加茂川の石みなぬるるむつかしと人を呼ぶなり夏の日の雨 与謝野晶子 二首目は状況がよくわかりませんが、どうやら、涼を求めて夕立の後に川べに出た一人の舞姫が河原の…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)清水へ祇園をよぎる桜月夜こよい逢ふ人みなうつくしき ほととぎす嵯峨へは一里京へ三里水の清滝夜の明けやすき ゆあがりを御風(みかぜ)めすなのわが上衣えんじむらさき人うつくしき やわ肌のあつき血汐にふれも見でさび…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)山荘の倉のあたりの落葉よりすくなく残る春のしら雪 与謝野晶子 山荘の倉のあたりの落葉の上に積もっていた雪も、日当たりが良いのか、もう解けてしまっているのでしょうか。 その覗いている落葉よりも、辺りに残っている…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)ゆくりなく心に立てるさざれ波生きがひとして言葉となさむ 窪田空穂 心に湧いた感動を喜びとして、ちょうどに程よく短歌としてあらわしてゆく、そして、さらには、行いとしても表してゆかれればいいのでしょうね。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)うす赤み夕日なぎさに流れゐつうらさびしきに舟着きにけり 歌集「朝の歌」 若山牧水 これは舟に乗っているのでしょうか。 なんとなく、そんな気がするのですが・・・・・。 舟が進むにつれて、なぎさを染めている夕日も移…

今日の一首

拙歌を一首剪定をしたゆえ少し少なくもちらほらと咲く山吹の花 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)白鳥(しらとり)はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 歌集「海の声」 若山牧水 白鳥の存在感。 その美しさは何物にもけがされることはない。 その美しさのまま、ただよっている。 ひょっとしたら、ご自身…