随想の細道

日常の感動を感ずるままに綴っています。よろしければ、ご覧ください。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)子を負ひて 雪の吹き入る停車場に われ見送りし妻の眉かな 石川啄木 子を背負いて、雪の降っている中を停車場まで見送りに来ている奥様。 停車場まで雪が吹き入るぐらいですから、きっと奥様の眉にも雪が乗っかっているの…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)ひでり雨(あめ)さらさら落(お)ちて 前裁(せんざい)の 萩のすこしく乱(みだ)れたるかな 石川啄木 日照り雨なのだから、おそらくパラパラッと降った程度なのではないでしょうか。 それが、庭の植え込みの萩を少し乱…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)コスモスの一重の花のつつましき姿をぞ願ふわれの起居(たちゐ)に 若山喜志子 謙虚な生き方をしたい、謙虚に生きたいと一挙手一投足にも心なさっておられるんですねえ・・・・・。

今日の一首

拙歌を一首蝉しぐれ絶えて久しき秋口に夏のなごりのつくつく法師 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)幸深き身やと束の間心おごり眉も明るく朝化粧(あさけはひ)する 若山喜志子 お幸せなんでしょうね・・・・・。 つい心おごって、自慢げにしているご自分も見いだされるのでしょう・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)魂の濁らば顔もおのづから曇ると思ひかしこみわが生く 抱きよせ頬ずりすれば天地(あめつち)のおほらかさなるゑまひする子ぞ 若山喜志子 お子様は尊いですね・・・・・。 何物にも代えがたいでしょう・・・・・。 自らの…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)すみとほる子等の眸を目に見てはわが魂のいよよかがやく 若山喜志子 子供たちの目は本当に澄んでいますからねえ・・・・・。 見るだけで心洗われる気持ちにさせられます・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)水の光(かげ)ひとり遊びの児の頬にあかるき渦を描きて揺れをり 栗原潔子 見守りながら用事をしているのでしょうか・・・・・。 その母のそばで水遊びかなにか、ひとり遊んでいる子供には、反射した波紋が揺れているので…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)ちひさなる手をひきよせてその汚れぬぐひつつをれば心足らへり 栗原潔子 子供の世話は大変でしょうけれど、その喜びは、また計り知れないものでしょう・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)くるくるとからだ動かし独楽のやうにわが働くに我とわらふも 長き間をわれと言(こと)とひこたへつつこまごまと朝の仕事してゐつ 栗原潔子 お母さんは、忙しいんですね・・・・・。

今日の一首

拙歌を一首暦ではもう秋なのに未だ暑き日差しを避けて木洩れ日浴びる 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)長き間を昼餉たうべゐしがたちて来し児の円き頬につきてゐる飯 栗原潔子 一人でお昼を食べていたのでしょうか・・・・・。 それが終わったのかどうか、母親のところへ歩いて行ったのでしょう・・・・・。 その子供のほっ…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)わがおくる団扇の風に額髪しづかに吹かれ児ろが眠れる 栗原潔子 夏なんでしょうね・・・・・。 眠っている子供たちに、団扇でやさしく風を送ってやっている母親の愛情でしょうか・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)硝子越しに入る陽あたたかし病室を靴はきて吾子はけふ歩みけり 飼鳥に言葉かけゐる吾子みれば病もすでに癒えそめにけり 藤森朋夫 大切なお子様が、ご病気だったのですねえ・・・・・。 それでも順調に回復なされているよ…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)ひさびさに帰れる吾子は諏訪言葉ひとつふたつを覚え来にけり 疲れしかすでに眠れる吾子見れば信濃の棗(なつめ)にぎりてぞゐる 藤森朋夫 そうとうに成長なされたのでしょうね・・・・・。 一人旅ができるまでに・・・・…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)すこやかに育てる吾子を抱きつつ朝庭に下りて何かおもはむ 眠り足りし吾子をいだきて見しむるは今朝咲きにける木蓮のはな 青芝ののびそろひける原に来てひるのひととき吾子を遊ばす 藤森朋夫 お子様が、すくすくと育って…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)ほがらかに今泣きあげし吾子(あこ)の声新しき時われに来(きた)れり 藤森朋夫 これは奥様のご出産のときの歌なのでしょうか・・・・・。 違っているかもしれませんが・・・・・。

今日の一首

拙歌を一首ゆく夏を惜しむがごとく山吹の咲いてうれしい時じくの花 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)閉ざされし風土の襞(ひだ)を見るごとき遠虚(とおうつ)ろなる眼(まなこ)に会えり 梶原治郎 その土地その土地のお国柄とでもいうのでしょうか、しきたりに縛られた面もあるのだと思います。 そういう田舎の人に会われ…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)大山毛欅(おほぶな)のひろがれる葉の間(あひだ)より夕雲は見ゆ黄に染みしかば やうやくに夏のふけゆく高山に木木の青葉の老(おい)のしづけさ あはただしく秋に入りゆく山山に青葉のそよぐ音ぞ聞こゆる かがみゐる吾…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)負ひて来し二升の米の尽きるころ欠けたる月は軒を照らしぬ 山下陸奥 背負ってきた二升の米も、もう尽きかけている・・・・・。 同じ様に欠けている月が、無情にも軒を照らしているではないか・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)山々のかこめる湖(うみ)は月光をうけしさざ波の平らかに充つ 山下陸奥 穏やかな湖なんでしょうね・・・・・。 その山々に囲まれている湖には、月影に照らされているさざ波が一面に広がっている・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)雷雨(らいう)去りて雫のあらくおちやまぬ山毛欅(ぶな)の林に月さしそめぬ 山下陸奥 雷雨はやんだけれど、ブナの林には、まだ激しく降った名残の雫が落ち続けている。 それでも、もう月の光が差し始めた・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)野良に澄む日光(ひかり)を見ればおだしさよ満つるとはあらず湛へたるなり 下村悦夫 むずかしくて良くはわからないのですが、野に降りそそぐ澄んだ日の光には穏やかさが湛えられている、ということなのでしょうか・・・…

気ままに気ままな一人言

拙歌を一首台風のそれて我が家の中庭に夏の日差しが照りつけている 藤本楠庭

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)吾子(あこ)を見に幾度か門に来は来つれ村の子供らは打解けがたき 下村悦夫 我が子に興味はあるんでしょうが、門のところまでは来るものの、村の子供たちは、なかなか打ち解けてはくれない・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)町よ来し我子(わこ)のともしか村の子ら時に門に来てひそと窺う 下村悦夫 町から来た我が子と友だちになってもいいと思っているのだろう、村の子らが物珍しがって時々門のところへやってきては、そおっと窺っている。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)友なくて寂しかるらしわが太郎とすれば母のそばに来て坐る 下村悦夫 友だちがいなくても母親が一番の友だちでもあるのでしょうね・・・・・。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)よみの道をわれひとりゆく心地しぬ夜半のねざめに虫の音きけば 九条武子 ご主人と離れ離れになっている悲しさなのでしょうか・・・・・。 それも、よほどのご事情があるのでしょう。 ご心中お察しして余りあります・・・…

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)君はあらず待てども待てど月は出でず空と人とのうらめしき夜ぞ へだたりておなじ月みる君とわれ人間の身はいともかひなし 九条武子 ご主人の他に、よき人でもできたのでしょうか・・・・・。 それとも、ご主人と離れ離れ…