随想の細道

日常の感動を感ずるままに綴っています。よろしければ、ご覧ください。

気ままに気ままな一人言

在るがまま感じたままを文章にしてみる
短歌を詠むために、感動を受けた事柄を文章で書いてみると良いそうです。

それは三十一文字では収まらないでしょうが、長々と書いた事柄の中から、自分の感動と関係のあることを選び出し、関係のないことを捨てていくという作業をしなければならないのだそうです。

先生は、夕日を見るために白浜の千畳敷に行かれたそうですが、夕暮れ時で、海も穏やかで静かな感じがする。

聞こえてくるのは岸に打ち寄せる波の音だけだ。

そういう岸辺に立って海を眺めている。

静かだ。

天地の間に自分一人のような気分がする。

そして、感動の中心はというと、天地の間に自分一人、夕暮れの静かな海岸にたたずんでいる、という気分を歌にしたいと思われたのだそうです。

そういう気分を感じたのはどういうところか、と今一度自分の気持ちを振り返ってみると、潮騒の音しかない状態がそういう気分を呼び起こしたのだなあと感じ、結句は「潮騒の音のみして」としてみたのだそうですが、さらに推敲を重ね、「潮騒響動(とよ)む」が一番感動にピッタリだなと気づかれたのだそうです。

さらなる推敲ののち、

 

天津日の没りゆく海の夕まぐれ千畳敷潮騒響動む

 

となされたのだそうです。