随想の細道

日常の感動を感ずるままに綴っています。よろしければ、ご覧ください。

人生の道しるべ

作歌における先生のお教え その一
一首一感動ということが、作歌の鉄則であり、したがって、歌の単純化ということが、歌を志す者の忘れることのできない心得なのであります。すなわち、歌という三十一文字の形式の中に、表現しようとする感動が、歌の単純化ということによって非常に鮮明に浮かび上がってくるのであります。そして、そのためには、その感動の表現に必要な物事だけを、明確につかみ取ることが肝心です。本来、歌ができるためには、申すまでもなく、ある契機となったところのものーーーすなわち素材ーーーを明確につかんでかからねばなりません。この素材を明確につかむということが、結局は、歌の単純化ということに成功するか否かを決めることになってまいります。そのために、作歌の態度には必ず第一番に、凝視とか観入、とかいうようなことが大切だと唱えられています。けれども、初心の方々にとっては、そうした凝視とか観入とかいうことより前に、どうしたら感動がつかめるかということの方が問題になっているようです。そこで、まず、感動のつかみ方について話を進めてまいります。

つづきは、次回まわしとさせて頂きます。