随想の細道

日常の感動を感ずるままに綴っています。よろしければ、ご覧ください。

気ままに気ままな一人言

とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)
草も日もひとつ寂しさのこの野はらに生きたる人もまじらんとする

                   片山広子

 

この方のお歌は、僕にはどうしても情景がつかめません。

いかに情操が乏しいかの現われだと思われます。

物音ひとつたたない野はら、そこにしんしんと秋の日が降りそそいでいるというしみいるようなしずけさ、そういう、野原のただなかにいて、その寂しさにひたっていると、生きのいのちの脈動を保っているはずの人間さえも、その空しい寂しさの中にひといろにとけこんでしまいそうになる、と味わえるのだそうです。