僕なりの鑑賞 その二
風荒ぶ琵琶の湖面はるけくも波の騒立つ見えて続けり
散りたまる乙女椿の花びらをそのまま林泉の石はしづもる
梅の香の淀むと匂ふみ園生は池面も石もただにひそけく
たたずまひなべて静けき林泉庭に一樹の梅が香をただよはす
咲ききはる辛夷の花はその白さかがよふときに散り初めにつる
瀬の音の続く谷間の静けさに川下遠く河鹿鳴くなり
琵琶湖の荒れた天候なんでしょうね。
遠くより高く波立ち、その波が岸まで続いているのでしょうか。
林泉は、にわ、と読んだり、しま、と読んだりしていいのでしょうか。
庭園の石に乙女椿の花びらが散っているんですね。
そのまま静まり返って・・・・・。
庭園の池も石も静まりかえって、ただ梅の香りだけが漂っているんですね。
ひそまりかえった庭園には、ただ一本の梅の木の香りだけが存在感を示しているのでしょうか。
白い辛夷の花が盛りを過ぎかけているのでしょうか、散り始めているんですね。
散り初めにつる、とは表現したことがありませんが、良い調べですね。
静かな谷間には、瀬の音だけが聞こえていて、川下の遠くからは河鹿の鳴き声が聞こえてくる、穏やかなひと時なんですね・・・・・。