2023-01-05 人生の道しるべ 歌集「山水」湯浅竜起著より抜粋 つづき風荒ぶ琵琶の湖面はるけくも波の騒立つ見えて続けり 散りたまる乙女椿の花びらをそのまま林泉の石はしづもる 梅の香の淀むと匂ふみ園生は池面も石もただにひそけく たたずまひなべて静けき林泉庭に一樹の梅が香をただよはす 咲ききはる辛夷の花はその白さかがよふときに散り初めにつる 瀬の音の続く谷間の静けさに川下遠く河鹿鳴くなり