僕なりの鑑賞 その一
鳴きいでし雲雀の声の短くて次には鳴かず日和ひそけき
水際にささ鳴きかはし遊びゐし千鳥飛び去りて干潟ひそまる
谷向けて重なり深き繫みよりま白く現れて滝の流ろふ
夕暮れし闇に紛れつつコスモスの群落つづく遠き森まで
熔岩原に群れ立つ巌黒々と空の曇りに突き出ていかし
見めぐらす山といふ山霧ながらなべてほのけく紅葉彩へり
雲雀が少し鳴いただけで、あとは静かなんですねえ・・・・・。
もっと鳴いてほしいという期待もあるんでしょうけれど・・・・・。
よく晴れた日の田んぼの上空に雲雀が舞い上がって鳴き続ける、ということが良くあるんでしょうけれど、この日はどんなお天気だったのでしょうか。
そして、どのような場所なんでしょうか・・・・・。
青空が広がっていてほしいとは思うのですが、とにかく静かな日和なんですねえ。
なんだか寂しいですねえ・・・・・。
さっきまで千鳥たちが少し鳴きかわしながら戯れていただけに、それが飛び去ってしまった干潟。
好もしく見ておられたであろう作者の優しい心が偲ばれます。
多少、俯瞰しているのでしょうか・・・・・。
谷へ向かって繁っている木々。
その間に、真っ白く流れ落ちる滝が見えているのですねえ・・・・・。
滝の神秘性も、うかがえるのでしょうか。
黄昏の薄暗さの中に、群れて咲くコスモス畑が、遠く森まで続いている。
なんと幻想的なコスモス畑でしょうか・・・・・。
溶岩台地に、溶岩質の岩ですから、想像しただけでも、いかついんでしょうね。
そういう岩が、あちこちに突き出ている。
曇っているから、なおさら荒んで見える光景なんでしょうね。
これは、山を見上げているのかもしれませんが、山の上から山々を見下ろしていて、雲海に遮られながらも山々がもみじしている幻想的な情景とも思えますよね。