とぼしい情操なれど(僕なりの鑑賞)
春あらし水揉みたてて桜田の門の岸べに白き泡寄る
植松寿樹
この情景がよく分かりません。
春の強風で水が揉みたち、白い泡ができるものでしょうか?
桜田門外の変が有名ですが、おそらくお濠の水ではないかと思われます。
それなら有りうるのではないでしょうか。
門の岸べに白い泡が寄っているというのは、何かを象徴しているのでしょうか。
これらの歌は、植松寿樹の「渦若葉」という歌集に収められているものだそうです。
夕ひと時もろもろのもの息ひそめ寒気の徹るこの静かさや
うしろより我に迫れる靴音がいつまでも同じ間隔たもつ
はざまには風に揉まるる樹も見えてここの尾根筋うす日照りいづ
(槍ヶ岳西鎌尾根)
植松寿樹